マイクロソフトへの文句

2010年9月 3日 (金)

ウィルスより性質の悪い有料ソフトとそれを隠す体質

また嫌な思いをした。
どうしてマイクロソフトはこういう不具合を直さないんだろうか。
お預かりしたVAIO。リカバリの許可を頂いたため購入時の状態に戻した。
マシンが古いためSP1まで戻るので、VAIO UpdateとWindows Updateにより最新状態にしようとしてSP2のインストールが始まったのだが「プロダクトキーを確認しています」で固まっている。
リカバリディスクによる復旧なのでプロダクトキーは入力していないし全く合法的な復旧なので、けちをつけられる筋合いは無い。

インターネットで検索したところ下記サイトで同じ事例が紹介され解決策も載っていたため、そのとおりやると確かに先に進んだ。ありがとうございます>サイト管理者
http://kumadigital.livedoor.biz/archives/50772747.html

問題は、
・表示されているメッセージと停止する理由の関連が全く無いこと。
・固まっているため対処方法が全くわからないこと。
・CPUを占有しているため操作が受け付けられないこと。
だ。
まず、当該メッセージ(プロダクトキーを確認しています)が表示された状態で動作が停止する場合、ユーザーはどう思うだろうか?自分のパソコンのライセンスが違法なのか?誰かにプロダクトキーを悪用されたのか?不安に思うことこの上ない。
上記サイトの記載によるとインテルの無線LANドライバが純正品と異なる場合(私の場合はSP2を当てる前にVAIO Updateで無線LANドライバを更新してしまっていた)当該現象が発生するそうだが、考えてみるとWindowsのプロダクトキーはそれだけでWindows XPを認証しているわけではなく、ハードウェアとの組み合わせ、つまりCPUのシリアル番号、LANインターフェースのMACアドレス(これが引っかかったのだろう)、HDDのシリアル番号、などが一致することがシステム同一性確認の必要事項になっている。だからプロダクトキーの確認画面でLANドライバが出荷時点での認証時と異なるMACアドレスを返した場合、ハードウェアの同一性が無効なため、不正なインストールと認識されたのだろう。
理由はわかる。しかしそれならなぜそういう現象が起きていることを明示しないのだろうか?
「お使いのハードウェアが初期認証時のものと異なっています。」と表示しインストールを中断するダイアログを出せば、分かる人はすぐピンとくるし、わからなくても途中で中断することができ、無駄な時間を過ごさずにすむのだ。
次に、GUIの問題でもあるのだが、なぜ高々Windowsの不具合改修のソフトがこんなにも融通の利かない挙動を示すのだろうか?
マイクロソフトのプロダクトでよくある問題ともいえるが、結局彼らの想像力のなさに起因するのだろう。
ソフトを開発していれば「この局面でエラーがでたらどうするか?」ということ、つまり例外処理への対処は必ず必要であり、不適切な処理はユーザーへ迷惑をかけるので適切なメッセージを通知する必要がある。しかし、それを全く無視する会社がある。マイクロソフトだ。「こんなところでエラーがでるわけがない」という思い込み、「エラーは何度か再試行すれば解決する」という安易な考え、そして「何か出しておけばわかるだろう」という高飛車な態度により、彼らの例外処理は不完全で時間を浪費し意味不明瞭なメッセージを出して終わる、いや不完全なので終わらない。
そしてCPUを占有する大問題。タスクマネージャさえ起動に時間がかかり、当該プロセスを殺すのにも一苦労。しかも恐ろしいことに私の環境では再起動を指示したのに画面が真っ暗になったあとマウスカーソルだけ表示されハードディスクへのアクセスが続いた。普通の人なら画面が真っ暗になってもまだ再起動しなかったらすぐに電源ボタンに手を掛けるだろう。そしてハードディスクを破壊する。私もその衝動に駆られたが数分間放置しハードディスクのアクセスランプの点滅が消え音がしなくなった状態が30秒は続いたところで電源を切った。こんな挙動を示しハードウェアを壊す危険のある行為をさせるというのは、ある意味ウィルスより性質の悪いソフトウェアだ。これがマイクロソフトの品質管理なのか。

あと、bingというマイクロソフトの検索サイトがある。
私も何度か使い、その体質がわかって利用するのを辞めた。
bingでは、Windowsの不具合に関する検索を行なうとろくな答えが返ってこないのだ。
例えば今の時点で「Service Pack 2 プロダクトキーを確認しています」をキーワードにGoogleで検索すれば上記のサイトが最初のページの最初の5件には入ってくる。しかしbingでは上記サイトは検索結果上位100件には入らない。(それ以降は調べていないが)
マイクロソフトはいい加減隠蔽体質を改めろ。マイクロソフトが情報を隠すことでどれだけのユーザーが不利益を被っていると思っているのか。
マイクロソフトがその隠蔽体質を続ける限り、私はこうやって告発するブログを書き続けるのだろう。

2010年8月28日 (土)

進捗ってなに?

相変わらずマイクロソフト製品への文句ばかりで恐縮です。(そういえば「恐縮です」で有名な芸能レポーターの梨本氏が亡くなられたとのこと、ご冥福をお祈りしたい)

お預かりしたNECデスクトップの症状は「パソコンの動作が極端に遅い」とのこと。
ゲームソフトがいくつもインストールされているようで、ネットゲーム系のソフトの場合プロテクトのためにインストールされるソフトがウィルス駆除ソフトと干渉することがあり、今回の原因もウイルスバスター2009を再インストールすることで現実的な動作スピードになった。
それはいいのだが、こういう場合原因究明のために複数のウィルス検査ソフトでウィルス検索を行なうことが多い。今回はWindows Updateが不完全だったためWindows Updateを手動で実行し、通常はWindows Update中に実行される「悪意のあるソフトウェアの削除ツール」を手動でダウンロードし「完全スキャン」というのを実行した。大概こういうチェックは数時間かかるのが一般的なので、帰宅する前に実行を開始して翌日出社した時に結果が分かるようにするのだが、出社してみて呆れた。9時間近く実行しているのにまだ終わってない。しかも処理済ファイルの個数がハードディスク内のファイルの数の8倍ぐらいある。ファイル数については、表示されているファイル名を見るとcabファイル内のファイルのようで、それはそれでOKなのだが、とにかく9時間はかかりすぎである。それよりなにより、画面に表示されているプログレスバーは「振り切っている」。これじゃいつまでチェックを続けるのか、さっぱり分からない。1時間ほど別の作業をしたあと見ると終了しウィルスは存在しないことが表示された。
ちなみにお預かりしたパソコンより古くスペックの低い別パソコンでウィルスバスター2010で検索すると(ウィルスバスターではデフォルトで圧縮ファイルの内部も検査するようになっている)3時間程度で検索は終了している。

ここで問題としたいのは、マイクロソフトにとって「進捗」とは何か、ということ。
プログレスバーというのはProgress Bar、つまり進捗を可視化するためのWindowsのオブジェクトのひとつである。左端を0%、右端を100%とする棒グラフであり、作業の進捗と共に棒グラフが伸びていき100%になったと同時に「作業完了」表示に変わる、そういうもので「あった」。すくなくともNTまでは。
今のプログレスバーは全く体を為していない。棒グラフが右まで伸びたと思ったら今度は短くなっていく、棒グラフではなくブロックがバーの領域内で左右に移動する、など、進捗を表示する機能はなくなり、そのソフトが活動していることの表示にしかなっていない。いわゆる「子供だまし」のお遊びだ。だから100%を超えることにも全く無頓着なのだ。
しかし使っている側はたまったもんじゃない。「この作業が終わったら今日は帰るぞ」と思って開始したらいつまでたっても終わらず終電を逃した経験は私自身サラリーマン時代にも何回もある。「これが終わったら作業完了ですからもう少しお待ちください」と上司や顧客に言ったのはいいがそれが全然終わらず上司からは怒鳴られ顧客からは呆れられる。日本のサラリーマンは働きすぎだとか残業が多いとか言われるが、パソコンがらみで言わせてもらえば、プログレスバーが正しく機能し、所要時間の見積が大きく狂わないなら、「この作業が終わるまでの間別のことをしていよう」となるのだが、終わるまでの間そのパソコンを眺め続ける必要があるというのは、苦痛でしかない。ましてそこがボトルネックになっている場合、その作業が終わるまで次の作業が始められないため、その作業の遅延が全ての工程を台無しにする。それにより残業が増え、会社は残業カットを通告し、サービス残業が蔓延し、過労死・欝がIT産業に蔓延する、・・・というのは冗談とは言い切れないだろう。

マイクロソフトは進捗管理がずさんなことでは天下一品だ。
Vistaのリリースの遅延は数ヶ月というレベルではない。ビルゲイツの超楽観的見通しも含めれば3年は遅れている。
プログレスバーの体たらくを見れば、マイクロソフトの開発陣は進捗を管理したくない、ということはよくわかる。「未完成の状態で時間通りに出荷するより多少時間をかけても完成した状態にして出荷すべきだ」ということなのだろうが、それなら出荷した製品の品質はもう少しどうにかすべきだろうし、下請けソフトハウスがこんな進捗管理だったらもう元受には出入り禁止になるだろう。
日本の製造業は納期厳守で品質第一を守ってきたから世界から注文がくるのだ。今パソコンが使えないと「情報弱者」扱いされるようだが、「パソコンが使える=マイクロソフトの進捗管理の杜撰さをまねしていい」ではないことは意識していきたい。

2010年8月 3日 (火)

バックアップで不具合を出す企業体質を疑う

また間を空けてしまいました。恐縮です。

しかしマイクロソフトのWindows開発チームの精神構造はどうなっているんだ?
信じられない。

Vista Home PremiumがインストールされているQosmioが持ち込まれメンテナンス中なのだが、お客様のデータを最優先に扱うべく必ずバックアップを行なうようにしている。
しかしVistaのバックアップはシステム全体をバックアップすることができないらしい。
Vistaの製品カタログを見ると、Editionの違いで添付されるソフトが異なりHome Premiumでは「Complete PC バックアップと復元」という機能が入っていないようだ。
これも家庭ユーザを馬鹿にした話で、「家庭ユーザはバックアップからの復旧はユーザデータしか認めません」ということなんだろうが、家庭ユーザだろうが法人だろうが、バックアップが重要なことには変わりはなく、万一のトラブル発生時にきちんと迅速に復元できることが重要なのだが、マイクロソフトとしては家庭ユーザのパソコンではそんなことはどうでもいいことらしい。

しかもバックアップの機能として重要なベリファイとロギングがサポートされてない。ベリファイが有効だと、バックアップ終了後にバックアップメディアに記録されたバックアップデータとバックアップ元のファイルとを比較し、バックアップデータが正しく作成されたかどうかを検証できる。ロギングはそういう行為のログが残るということだ。つまり、ロギングがサポートされないというのはバックアップが正しく行なわれたのかどうか知りようが無いということだし、ベリファイがサポートされないというのはバックアップデータの正当性が保証されない、ということだ。つまりバックアップが異常終了し不完全な形であったとしても、そのチェックもなされなければその記録も残らないということ。デタラメ以外のなにものでもない。これはバックアップソフトとして全く体を為していない欠陥ソフトでしかない。

マイクロソフトはどうしてこういう欠陥ソフトを搭載したままほったらかしておくのだろう?いくら家庭用パソコンだからといってデータを不完全な形で保管されてユーザが納得するわけがない。孫の写真、結婚式のビデオ、旅行のビデオ、自分たちのバンドの音源、個人で書いた文章、個人の家計簿、などなど、家庭用パソコンだからこそ蓄積されるデータは大量にある。マイクロソフトはそういうデータを大切なものとは思ってないのだろう。

しかも、マイクロソフトのサイトである「Microsoft Answers」という掲示板でVistaのバックアップの記事を検索して驚いた。バックアップが正常に動作せず復元できない、という記事が多数あるのだ。

バックアップは復元できなければ全く意味が無い。もちろん復元作業に於いてセキュリティとの兼ね合いで問題が発生するだろうということはわかっていることだが、だからといって復元ができないのでは全く意味が無い。欠陥ソフトとしか言いようが無い。

馬鹿にするのもいい加減にしろ。ふざけるな。マイクロソフトのVistaの開発責任者はユーザ不在のこんな糞ソフトをリリースしたことを懺悔しなければ嘘だろう。

なぜVistaが売れなかったのか、総括し公開すべきだ。ユーザ不在であったことを深く反省すべきだ。

2010年6月 9日 (水)

データベースは誰のものか

某法人からのトラブル対応。
Dellの古いデスクトップのHDDが壊れていた。
担当の方も社長さんも「この機械は古いから買い換えるつもりだった。データさえある程度復旧してもらえればいい」とのことで、Ontrack Data Recoveryで壊れたHDDをスキャンし復旧して読めたところをDVDに焼いてお返しして…と思っていたら、そのPCがデータを保持し別PCからネットワーク経由でアクセスされていたMDBデータベースのファイルがあり、それを開こうとしても開けない。
別PCにもソフト自体はインストールされているのでそちらにデータをコピーすれば動くだろう、と思っていたが、どうもMDBファイルが壊れたようだ。「バックアップはありませんか?」と聞いても「すみません、私が入社してからそういう操作は一度もしていません」えーっと。探したけれど結局バックアップはどうやら一度もやってないようでMDBファイルをなんとか修復しなければならない。

アプリはよくある業種向けのソフトでプログラム自体はVBかなにかで作っていて、データベースエンジンとしてAccess97に含まれるJetを使っているようだ。MDBファイルも複数存在し、20個ほど存在するが、Accessで直接MDBを開くとそのうち4つが開けない。
1つはMDBを開こうとすると「ほかのユーザーが同じデータに対して同時に変更を試みているので、プロセスが停止しました。」というメッセージボックスが現れ、OKをクリックするとデータベースが開かれずAccessの画面に戻ってしまう。残りの3つはMDBを開こうとすると「データベース***は修復する必要があるか、データベースファイルではありません。」「このデータベースを修復しますか?」と表示され「はい」「いいえ」のボタンが現れるが、「はい」をクリックしても「データベースの形式***を認識できません」OK→「データベース***は修復できないか、Microsoft Accessデータベースファイルではありません」OKでやはりAccessの画面に戻ってしまう。
秀丸エディタでMDBファイルを直接見れば先頭に「Standard Jet DB」の文字が入っている以上、これらのファイルはMicrosoft Accessデータベースファイル以外の何者でもないのだ。

Webで解決方法をいろいろ探したが、「バックアップを取っていないのが間違い」との記載ばかり目立つ。もちろんそれは事実なのだが、だからといって解決方法がろくに書かれていないというのもどうかと思う。
役にたったサイトとしては、
http://chachahoo.at.webry.info/200903/article_4.html
が復旧ソフトを紹介していた。(ありがとうございます>オーナー)
うちにもそういえば復旧ソフトがあったな、と思い、Ontrack Data RecoveryのAccess Recoveryを実行してみたら、開けない状態だった4つのファイルの内容が見えるようになった。
ただ、データが空のテーブルもあるので今からそのチェックが必要だ。

しかし本当にマイクロソフトの能力の無さに腹立たしくなる。
データベースソフトというのは、ユーザのデータを保管することが仕事だ。
マイクロソフトのプロダクトというのは、うまく動く環境ではそれなりに評価できるのだが、トラブル発生時の処置が悪すぎる。エラーを隠蔽する体質により、問題が起きても真剣に利用者に通知しようとしない。致命的な状態になって後悔しても後の祭り。ゲームなら別に構わないのだが、データベースのような仕事で使うソフトがエラー処理をうまくこなせないというのは、マイクロソフトの開発陣に「うまく動く時のことしか考えない」という致命的な怠慢の精神が蔓延しているのだろう。

ということで、こういうトラブルの場合、有償のソフトの導入が必要だ、と心に留めておいてほしい。

2010年3月19日 (金)

暴走族にこびる自動車メーカーなんてありません

更新をサボってました。申し訳ありません。

さて。

DirectXというMSがWindows向けに作っているミドルウェア(ハードウェアの特殊な制御などのためにOSとアプリケーションの橋渡しをするソフト)があります。パソコンのグラフィックや音声出力、キーボードやマウスの特殊制御のためのミドルウェアであり、もっぱらゲームソフトが画面処理の高速化やキー入力マウス操作の独自制御のために利用するソフトです。XPから7への変更でこのミドルウェアも変更され、機能が増えたそうで。ただ、XPへのインストールはできずVista以降の対応だそうです。それにより、XPをサポートしないゲームソフトがでてくることになる。

思うのですが、なぜマイクロソフトはパソコンユーザとしてゲームユーザのことしか考えないのでしょうか。確かにパソコンのハードウェアの高機能化を最も端的に表現できるのはパソコンゲームです。ゲームのデモを眺めているだけでびっくりすることもある。それはそれで確かにすばらしいことです。しかし、パソコンユーザはゲームをしたくて購入する人ばかりではないことはマイクロソフトもわかっているはずなのですが、わざわざそんな縛りをOSに入れてくるのはどういう理由なのでしょうか?

一つ言えることは、ハードウェアの高機能化にOSが取り残されていたこと。パソコンの主導権を握っているはずのMSとしてはそんな状態は我慢できなかったのでしょう。Vistaみたいな中途半端な状態の完成度のOSを販売し売上不振に悩むハメになったのも、「XPのままで構わない」というユーザの声を無視してでも「パソコンの覇権をMSに取り戻せ」という至上命令がMS幹部からあったのでしょう。

そしてVistaが失敗し7では失敗の許されないMSとしては、パソコンの高性能さを主張するもっとも手っ取り早い手段がゲームソフトの美しさをPRすること。ビデオカードメーカー、マザーボードメーカーが協力し猛烈に細かく猛烈に高速動作し猛烈に美しいゲームデモを見せることに成功したようです。

しかしそれは大きな代償を払うことになることに彼らは気が付いていないのでしょう。

30年ぐらい前でしょうか、車のエンジン馬力競争があったのは。メーカーがこぞってDOHCだターボだとやりあい、最高馬力競争をしていた。しかしある時最高時速の制限と馬力の制限が指導官庁から為されました。当時の世相を思い起こすと石油ショックがあり暴走族があり交通事故死の問題もありました。それらが車の無制限な馬力競争を抑え今日の安全性能・省エネ性能をもたらしたわけです。

パソコンはいくら高速に動くといってもパソコン自体が飛び跳ねるわけではなく直接危害を加えることはありませんから、パソコンの無制限な高性能化を求めるユーザとそれにより利益を得るメーカーがいても誰も止めることはできませんしそれが社会を幸せにすると誰もが思っています。しかし果たしてそう言い切れるのでしょうか?

一部のマニアが声高に主張するため、パソコンの高性能化ばかりが要求されていますが、車と同じく、ある一定の性能があれば多くのユーザは満足するのです。性能向上のベクトルも消費電力の激減や危険な通信の切断、そして過去のアプリケーションとの互換性を高める機能など安全面に向くべきなのに、「エクスペリエンス インデックス」などという競争を煽る数値をのうのうと謳い、その数値の高さで購買意欲を煽ろうという図式は、30年前の自動車メーカーのたどった道そのものです。

ほとんどのビジネスユーザやゲームユーザ以外の家庭用パソコンにとってはエクスペリエンスインデックスのゲームグラフィックスの数値は1.0でも全く問題ないことであり、そんな指標自体意味がありません。

マイクロソフトとメーカーはWindows7をXPの代替として拡販したいのなら、一部ゲームユーザやパソコンオタクの自己満足用のWindowsとは別に、大多数の「速度を求めていない」ユーザ向けの「普通の」Windowsをインストールしたパソコンを販売すべきなのです。

一部のパソコン暴走族向けのOSはいらないのです。

2010年2月27日 (土)

パソコンは誰のものか

パソコンメンテナンスを仕事にしているため、自分のパソコンの維持管理も小まめに行うようにしている。(そうでないと客先に行って自分のパソコンの不調のために仕事にならない羽目になる)
毎日ではないが、何らかのきっかけがあったときに、イベントビューアをチェックしたり、chkdskをかけたり、デフラグの画面でフラグメント過多になってないかチェックしたり、ディスクの残容量を確認してゴミファイルを片付けたり、バックアップを取ったりと、いろいろやることはある。

今日もデスクトップマシンのchkdskを行ってみたが、こんなことでもマイクロソフトの手抜きが感じられて気分が悪くなる。
まず、chkdskをGUIで行うときに、画面への表示内容はプログレスバーだけで状況報告が全くない、ということ。(だから私はchkdskはGUI版は使わない)トラブルはあるのかないのか、軽微なのか重症なのか、一刻を争うのか余裕はあるのか、何もインフォメーションが伝わらない。
コマンドプロンプトで実行しても、/fオプションをつけないと調査しか行われない。chkdskを行う状況というのはディスクの整合性に疑念がある場合であり、なぜいちいちオプションをつけないと実調査が始まらないのか、理由がない。
/fオプションをつけると、システムドライブやページファイルのあるドライブの場合はその場ではチェックせず「次の再起動時にチェックします。よろしいですか?」という問い合わせのみ行われ、再起動しないとチェックはされない。
再起動すると水色の英語の画面でチェックが始まるが、なぜ日本語化しないのか理解できない。
チェック終了後勝手に再起動するが、チェックの結果はイベントビューアで調べないと分からず、再度修復が必要なのかどうなのか判断がつかない。結局再度chkdskをコマンドラインから実行することになる。

ロックされているファイルがあるためチェックができないので再起動時に実チェックを行う、というのは理由はわかる。しかしそれなら実チェック完了時に全ての問題が解決したのか再チェックが必要なのかはっきりさせるべきであり、「チェックが正常終了するまでWindowsを起動させない」というモードがあってしかるべきだ。
パソコン起動時にセキュリティを重視するユーザはログオンパスワードを入力するはずだ。厳しく運用する場合はBIOSパスワードも入力する必要があるだろう。また常駐させるソフトが多いとWindowsの起動シーケンスの完了までにかなり時間がかかることもある。つまりパソコンの再起動にはコストがかかるのだ。そういうユーザに「もう一度再起動して再チェックを強要する」のはユーザ軽視としか思えない。

マイクロソフトがアマチュアだと思うのは、パソコンのリソースを利用者に無断で占有することに無頓着であり、パソコンの利用者の時間をパソコンのお守りのために使うことに無頓着であること。
ユーザはWindowsを使いたくてパソコンを購入するのではなく、自分がやろうとすること、それはゲーム・メール・Web閲覧・写真の保管・動画閲覧・仕事などさまざまだろうが、それを実現するためにパソコンを購入するのだ、ということにまったく無頓着であることが腹立たしい。

2010年2月14日 (日)

イベントID51

※2010/02/17追記:内容に不備がありました。デバイス名と実デバイスのリンクを錯誤し、かつダンプリストの解析を間違えておりました。お詫びして訂正いたします。

マイクロソフトのプロダクトにケチを付け出すときりがないが、備忘録ということでもあり、記録を残していこう。

自分の愛用PCはDELLのLATITUDE D600というもう6年物のノートパソコンだ。
先立つものもないし、頑丈なので気に入っており、こまめにメンテナンスしている。
今日もイベントビューアをチェックしたが、気になるエラーが残っていた。

イベントの種類: 警告
イベント ソース: Disk
イベント カテゴリ: なし
イベント ID: 51
日付: 2010/02/13
時刻: 15:41:51
ユーザー: N/A
コンピュータ: COM-D600
説明:
ページング操作中にデバイス \Device\Harddisk1\D 上でエラーが検出されました。

詳細な情報は、http://go.microsoft.com/fwlink/events.asp の [ヘルプとサポート センター] を参照してください。
データ:
0000: 03 00 68 00 01 00 b6 00 ..h...¶.
0008: 00 00 00 00 33 00 04 80 ....3..€
0010: 2d 01 00 00 00 00 00 00 -.......
0018: 00 00 00 00 00 00 00 00 ........
0020: 00 30 04 00 00 00 00 00 .0......
0028: 76 8b 01 00 00 00 00 00 v‹......
0030: ff ff ff ff 03 00 00 00 ÿÿÿÿ....
0038: 40 00 00 c4 02 00 00 00 @..Ä....
0040: 00 20 0a 12 40 02 20 40 . ..@. @
0048: 00 00 00 00 0a 00 00 00 ........
0050: 00 00 00 00 18 f7 ef 86 .....÷ï†
0058: 00 00 00 00 90 24 ef 86 ....$ï†
0060: 00 00 00 00 18 02 00 00 ........
0068: 28 00 00 00 02 18 00 00 (.......
0070: 08 00 00 00 00 00 00 00 ........
0078: 70 00 06 00 00 00 00 0a p.......
0080: 00 00 00 00 28 00 00 00 ....(...
0088: 00 00 00 00 00 00 00 00 ........

このエラーはハードディスク等への書き込み時にエラーが起きたことを示している。ページング動作中なので、自分のデータが壊れたとは言い切れず、これが散見(イベント中に数件)なら様子見なのだが、頻発するようだとそれがハードディスクでの事象だった場合はハードディスクの交換が必要になる。というわけで今入っているハードディスクの代替をそろそろ用意する必要があるのだが、ここで問題なのはエラーメッセージの「説明」だ。
> ページング操作中にデバイス \Device\Harddisk1\D 上でエラーが検出されました。
これを見て普通の人はどう思うだろうか。
全く分からない人は何がなんだかわからないだろうし、ちょっと分かる人なら
「俺のパソコンはパーティション分割しているからDドライブでトラブルが起きているのだろうな」と判断してchkdsk D:を実行するだろう。しかし何もエラーが検出されなければ「ま、様子見だな」ということになる。

ところがこの「説明」は不完全なのだ。

まず、Harddisk1が何を指しているのか、これだけでは分からない。
これを調査するには、(もしインストールされているなら)dmdiag.exeをコマンドプロンプトで"-v"オプションをつけて実行するとわかるようだ。
ダウンロードは次のリンクで:http://download.microsoft.com/download/win2000platform/webpacks/1.00.0.1/nt5/en-us/dmdiag.exe

dmdiagの結果の抜粋は以下の通り:
---------- Drive Letter Usage, Drive Type ----------

C: = \Device\HarddiskVolume1 [Fixed]
D: = \Device\HarddiskVolume2 [Fixed]
E: = \Device\CdRom0 [CDRom]
F: = \Device\Harddisk1\DP(1)0-0+4 [Removable]

---------- \Device\Harddisk0 ----------

\Device\Harddisk0\DP(1)0x7e00-0x1e83e0fe00+1 (Device)
\Device\Harddisk0\DP(2)0x1e83e17c00-0x1bb4a98600+2 (Device)
\Device\Harddisk0\DR0 (Device)
\Device\Harddisk0\Partition0 (SymbolicLink) -> \Device\Harddisk0\DR0
\Device\Harddisk0\Partition1 (SymbolicLink) -> \Device\HarddiskVolume1
\Device\Harddisk0\Partition2 (SymbolicLink) -> \Device\HarddiskVolume2

---------- \Device\Harddisk1 ----------

\Device\Harddisk1\DP(1)0-0+4 (Device)
\Device\Harddisk1\DR3 (Device)
\Device\Harddisk1\Partition0 (SymbolicLink) -> \Device\Harddisk1\DR3
\Device\Harddisk1\Partition1 (SymbolicLink) -> \Device\Harddisk1\DP(1)0-0+4

つまり、Harddisk1は私の環境ではFドライブの外付けUSBフラッシュメモリのことだったのだ。
そして"\Device\Harddisk1\D"というデバイス名は不正であり、"\Device\Harddisk1\DR3"がエラーを起こしていることもわかる。本当なら
> ページング操作中にデバイス \Device\Harddisk1\DR3 上でエラーが検出されました。
などと表示されねばならない。「D」と「DR3」では意味が全然違い、このDR3がWindowsエクスプローラ上の何ドライブに該当するかは前述のソフトなどで確認する必要があり決してDドライブの意味ではない。

マイクロソフトのサイトでこのエラーについての詳細な説明がある。
http://support.microsoft.com/kb/244780/ja
が、XP対応と記載しておきながらデコードの例示がWindows2000向けのものだったり、シンボリックリンクの説明がWindows2000のSCSIでの説明に終始し現実的な回答になっていない。
http://support.microsoft.com/kb/159865/

いつも思うのは、この手の情報が不完全であり漏れがあり結果としてユーザの問題解決に役立たず混乱させてしまうことだ。ここまで面倒なことをしないとイベントビューアの結果がどのようにユーザに影響するのか分からないようになっているというのは、ユーザビリティの観点から言えば確実に欠陥である。

というわけで、私のパソコンのUSBフラッシュメモリはそろそろ危ないらしい。そのうち他のエラーもでるだろう。それまでバックアップを忘れずに、そして致命的なエラーがでるようだと交換作業が必要だ。

マイクロソフトはこういうところで手抜きがある。どうして日本人はこういう「手抜き」OSを全面的に信頼してシステムを構築することに抵抗がないのだろう?システム設計での回避策が考えられているのなら構わないのだが・・・