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2010年3月

2010年3月19日 (金)

暴走族にこびる自動車メーカーなんてありません

更新をサボってました。申し訳ありません。

さて。

DirectXというMSがWindows向けに作っているミドルウェア(ハードウェアの特殊な制御などのためにOSとアプリケーションの橋渡しをするソフト)があります。パソコンのグラフィックや音声出力、キーボードやマウスの特殊制御のためのミドルウェアであり、もっぱらゲームソフトが画面処理の高速化やキー入力マウス操作の独自制御のために利用するソフトです。XPから7への変更でこのミドルウェアも変更され、機能が増えたそうで。ただ、XPへのインストールはできずVista以降の対応だそうです。それにより、XPをサポートしないゲームソフトがでてくることになる。

思うのですが、なぜマイクロソフトはパソコンユーザとしてゲームユーザのことしか考えないのでしょうか。確かにパソコンのハードウェアの高機能化を最も端的に表現できるのはパソコンゲームです。ゲームのデモを眺めているだけでびっくりすることもある。それはそれで確かにすばらしいことです。しかし、パソコンユーザはゲームをしたくて購入する人ばかりではないことはマイクロソフトもわかっているはずなのですが、わざわざそんな縛りをOSに入れてくるのはどういう理由なのでしょうか?

一つ言えることは、ハードウェアの高機能化にOSが取り残されていたこと。パソコンの主導権を握っているはずのMSとしてはそんな状態は我慢できなかったのでしょう。Vistaみたいな中途半端な状態の完成度のOSを販売し売上不振に悩むハメになったのも、「XPのままで構わない」というユーザの声を無視してでも「パソコンの覇権をMSに取り戻せ」という至上命令がMS幹部からあったのでしょう。

そしてVistaが失敗し7では失敗の許されないMSとしては、パソコンの高性能さを主張するもっとも手っ取り早い手段がゲームソフトの美しさをPRすること。ビデオカードメーカー、マザーボードメーカーが協力し猛烈に細かく猛烈に高速動作し猛烈に美しいゲームデモを見せることに成功したようです。

しかしそれは大きな代償を払うことになることに彼らは気が付いていないのでしょう。

30年ぐらい前でしょうか、車のエンジン馬力競争があったのは。メーカーがこぞってDOHCだターボだとやりあい、最高馬力競争をしていた。しかしある時最高時速の制限と馬力の制限が指導官庁から為されました。当時の世相を思い起こすと石油ショックがあり暴走族があり交通事故死の問題もありました。それらが車の無制限な馬力競争を抑え今日の安全性能・省エネ性能をもたらしたわけです。

パソコンはいくら高速に動くといってもパソコン自体が飛び跳ねるわけではなく直接危害を加えることはありませんから、パソコンの無制限な高性能化を求めるユーザとそれにより利益を得るメーカーがいても誰も止めることはできませんしそれが社会を幸せにすると誰もが思っています。しかし果たしてそう言い切れるのでしょうか?

一部のマニアが声高に主張するため、パソコンの高性能化ばかりが要求されていますが、車と同じく、ある一定の性能があれば多くのユーザは満足するのです。性能向上のベクトルも消費電力の激減や危険な通信の切断、そして過去のアプリケーションとの互換性を高める機能など安全面に向くべきなのに、「エクスペリエンス インデックス」などという競争を煽る数値をのうのうと謳い、その数値の高さで購買意欲を煽ろうという図式は、30年前の自動車メーカーのたどった道そのものです。

ほとんどのビジネスユーザやゲームユーザ以外の家庭用パソコンにとってはエクスペリエンスインデックスのゲームグラフィックスの数値は1.0でも全く問題ないことであり、そんな指標自体意味がありません。

マイクロソフトとメーカーはWindows7をXPの代替として拡販したいのなら、一部ゲームユーザやパソコンオタクの自己満足用のWindowsとは別に、大多数の「速度を求めていない」ユーザ向けの「普通の」Windowsをインストールしたパソコンを販売すべきなのです。

一部のパソコン暴走族向けのOSはいらないのです。

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